出典: IFPMA

公衆衛生にスーパー耐性菌が重大な影響を及ぼすのを回避すべく抗菌薬耐性と闘う新たな国連グループに研究開発型製薬企業の代表が参加

公衆衛生にスーパー耐性菌が重大な影響を及ぼすのを回避すべく抗菌薬耐性と闘う新たな国連グループに研究開発型製薬企業の代表が参加

2020年11月20日、世界保健機関、食糧農業機関、及び国際獣疫事務局は、抗菌薬耐性に関するワンヘルス・グローバル・リーダーグループ(One Health Global Leaders Group on Antimicrobial Resistance、以下グローバル・リーダーグループ)を創設したことを発表しました。この新たな国連のハイレベルグループには、国際製薬団体連合会(IFPMA)のメンバーであるMSDの会長兼最高経営責任者Kenneth Frazier氏も参加します。グローバル・リーダーグループは、薬剤耐性の脅威に立ち向かう緊急措置を提唱するために設立されたものであり、各国の首脳、大臣、市民団体のリーダーといったほかの主要ステークホルダーと共に、製薬業界を直接代表する者がそこに参加する機会が得られたことを喜ばしく受け止めています。

既存の抗菌薬に耐性を持つスーパー耐性菌は、すでに世界中の医療システムに多大な影響を及ぼしており、全世界で年間約70万人が薬剤耐性(AMR)によって死亡しています。既存の抗菌薬や、より優れた新規の治療薬が確実に適正使用されるようにする強固な対策を取らなければ、この数字は2050年までに1,000万人に増加する可能性があります。

研究開発型製薬企業は、加速する薬剤耐性の危機を回避するために長い間求められてきた対策を提唱しており、いくつかの課題に対処すべくいち早く行動を起こしました。20207月、新たなAMRアクションファンドが立ち上げられ、製薬業界が10億米ドルを投資して、破綻しつつある抗菌薬パイプラインの救済に乗り出しました。AMRアクションファンドは、2030年までに2~4剤の新規抗菌薬を製品化することを目標としており、世界的な公衆衛生上の脅威に対応するために製薬業界が取り組む、過去最大級の共同イニシアチブの1つとなります。研究開発型製薬企業は、2017年に設立された100のメンバーからなる独自のライフサイエンス業界団体であるAMR Industry Allianceを通じて、診断薬、ジェネリック医薬品、及びバイオテクノロジー業界とも力を合わせてきました。この団体の業績には、責任ある抗菌薬の製造におけるブレイクスルーや、患者さんによる抗菌薬の入手・使用方法の改善に向けた積極的な対策などがあります。

「薬剤耐性は、今回のパンデミックの期間中もそれ以降も、すべての人にとって喫緊の脅威であり続けます。ですから、すべての人が個人として、組織として、また国際社会全体として、役割を果たさなければなりません。 今回、MSD及び研究開発型研究開発型製薬企業の代表としてワンヘルス・グローバル・リーダーグループに参加できることを光栄に思っております。このパートナーシップは、薬剤耐性という重大な問題への対策の前進を加速させるために必要な、多部門間の協力と「ワンヘルス」アプローチの模範となるものです」とMSDの会長兼最高経営責任者であるKenneth Frazier氏は述べています。

FPMAのThomas Cueni事務局長は、Frazier氏の任命を歓迎し、次のように述べています。「私たちは、Kenneth Frazier氏が独自の専門知識をこの団体にもたらすことができることを大変喜ばしく思っています。AMRは、極めて重大な世界的危機であり、死者数や経済的コストの点でCOVID-19を上回る可能性があります。AMRに立ち向かうには、社会による新規抗菌薬の評価の仕方を根本的に変える必要があり、新規抗菌薬の開発を成功させた企業に報奨を提供する政府のインセンティブが必要です。MSDは、今年、AMRアクションファンドに投資した20社以上のバイオ医薬品企業に名を連ねています。Frazier氏の任命が、議論を行動に移す助けとなることを願っています」。